「建築設計事務所アリンコ」のウェブサイトを制作。
長らくのティザーを経て公開となった。
また法人成りされたこともあり、サイト名も「arinco architects inc.」と改めた。
トップページは「アリの巣」と「間取り」をモチーフにしており、画像同士のわずかな隙間、角のアール、物件タイトルの上に小さくいるアリのアイコンはその名残である。

全体を極力シンプルに、余裕を感じさせるレイアウトを目指し、Javascriptによる表現効果もさりげないものとした。
モバイル表示でのメニューはよくある三本線の、いわゆるハンバーガーメニューは敢えて採用していない。
これはナビゲーションのメニュー数が少ないこともあるが、ユーザの操作における合理性を鑑みてである。
ハンバーガーメニューは目的の情報を得るまでにアクションがどうしても多くなってしまう。
なんでもよくある表現にするのではなく合理性を求めることは建築にも通じるものがあり、今回の仕様とした。

トップページのレイアウトや効果はデバイスサイズで最適化されるよう調整しており、依頼者のクライアントに対する設計業務の細やかな配慮を妨げないよう注意している。
またページの表示速度もPageSpeed Insightsで1秒台を達成しており、画像サイズが大きく数量の多いサイトにありがちな表示速度の遅延も回避した。

本件は依頼者自身のプロデュース、サイトの見せ方を通じた事業のブランディングにも踏み込んでおり、依頼者のポートレートの撮影も敢行。
撮影はファッションやポートレートをはじめ、表情を引き出すことを得意とする高瀬八一氏にお願いした。
ウェブサイトの構成上採用はワンカットのみであったが、依頼者の様々な表情を切り取ることができ、依頼者自身も改めて自身を見つめる機会が得られたのではないかと思う。

ウェブサイト、撮影ディレクション（ポートレート）

Portrait Photography: Yoichi Takase